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「翻訳スキルハンドブック」書評レビュー

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「翻訳スキルハンドブックが気になっている。翻訳についていろいろ書かれてて良さそう。でも実際読んでみた人の感想を聞きたい。」

「翻訳スキルハンドブック」は翻訳に関して全般的に扱っており、翻訳に興味ある人から、始めたばかりの人までおすすめできる1冊です。

興味はあるけど仕事はどんな感じなのかわからない、という人も本書を読めば具体的なイメージがわくようになるでしょう。

本記事では、「翻訳スキルハンドブック」について詳しくレビューしていきます。

「翻訳スキルハンドブック」とは?

「翻訳スキルハンドブック」は英語関連の書籍を多数出版していることで有名な「アルク」が出している翻訳ノウハウ本です。

著者の駒宮俊友氏は、長年翻訳者として活躍されており、テンプル大学ジャパンキャンパス生涯教育プログラム翻訳講座講師も経験されてます。

単なる翻訳の解説に留まらず、仕事の進め方をかなり具体的に書いているため、実務への橋渡しとしても有益な1冊となってます。

2017年に出版されたということもあって、翻訳のハウツー本としては比較的新しく、最新の業界動向を反映している点もおすすめポイントです。

「翻訳スキルハンドブック」のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

「翻訳スキルハンドブック」のメリット

翻訳者に必要な5つの基本スキルを習得

本書では、翻訳者にとって必要される以下の5つの基本スキルを習得可能です。

・原文分析スキル
・リサーチスキル
・ストラテジースキル
・翻訳スキル
・校正スキル

例えば「翻訳スキル」の項目では、訳し上げ・訳し下げ、無生物主語の訳し方、youをどう訳す?、関係代名詞を訳すコツなど初心者がつまづきやすい点を1つ1つ詳しく解説してます。

翻訳テクニック以外にも、パソコン・インターネットを使った「リサーチスキル」についても解説があり、例えば、「Google検索でリサーチを効率化させる」という項目などがあります。

こうしたネットでのリサーチ方法について触れている本は少ないので、本書は貴重だと思いました。

いずれもすぐに活かせる内容ばかりであり、実務の直結してて、とても参考になるはずです。

初心者でも読みやすい

本書は、1つ1つの項目にてあまり情報が詰め込まれておらず、また、文体も簡潔明瞭であり、全体的に読みやすいなと感じました。

翻訳本は専門的過ぎたり、文体が硬すぎたりして、初心者がとっつきにくいことがありますが、本書はそうしたデメリットはないと思います。

参考になる例文が豊富

本書に収録されている英語の例文は、イギリス人とカナダ人が書き下ろしたもの。

豊富で、良質の例文を元に解説していくので、多くの英語に触れることで、翻訳スキルが自然と身に付くようになります。

特典ダウンロード音声あり

特典ダウンロード音声として「駒宮先生の翻訳入門(25分)」があり、本書の第1章「翻訳者に求められるスキルとは」の内容を中心に講義を視聴できます。

本講義を通じて、翻訳者を目指す上で大事なポイントを理解でき、今後の学習の参考になりそうです。

Kindle版もある

本書は紙の単行本だけでなく、Kindle版もあります。

Kindle版のメリットとしては、スマホやタブレットで見れる、Kindleの検索機能が使える、など。

外出先でも読みやすく、検索機能により必要な情報へすぐにアクセスできます。

「翻訳スキルハンドブック」のデメリット

アウトプットが足りない

翻訳に関するテーマを幅広く扱っているのはメリットですが、練習問題や課題などもあったほうが良かったなと思います。

翻訳のスキルやテクニックはもちろん必要ですが、結局のところ、経験や慣れが大事です。

本書で翻訳業の輪郭、概要をつかんだ上で、他の本で補強していくようにしましょう。

別途実務翻訳本は必要

本書は翻訳一般のノウハウをまとめたもので、特定の専門分野に関する解説本ではありません。

なので、例えば特許翻訳をしたいなら別途特許翻訳に関する解説本が必要です。

「翻訳スキルハンドブック」以外の翻訳関連本

「翻訳スキルハンドブック」以外におすすめの翻訳関連本は以下の通り。

・英文翻訳術
・翻訳英文法
・翻訳の布石と定石 実務翻訳プロへの道
・英日日英 プロが教える基礎からの翻訳スキル

特に「翻訳の布石と定石 実務翻訳プロへの道」は多くの翻訳者がおすすめしてます。

「翻訳スキルハンドブック」以上に体系的に、かつ詳細にまとめられてますし、練習問題も多く、着実にスキルアップするはずです。

翻訳関連本については下記の記事もぜひご覧ください。

まとめ

今回は「翻訳スキルハンドブック」について紹介させていただきました。

本書ほど翻訳の基礎スキルから仕事の進め方まで幅広くまとめた本は他にはほとんどなく、翻訳の全体をつかむには最適な1冊と言えます。

大変読みやすいので最初の1冊として良いですし、仕事を取った後も手元に置いて随時参照することで作業はスムーズに進むはずです。

ぜひ本書を読んで翻訳家としての1歩を踏み出しましょう。

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